瑕疵担保責任の特約の制限のおさらい

そもそも、瑕疵担保責任ってなんぞ?

基礎中の基礎ですが、瑕疵担保責任って、なんでしょうか?

瑕疵担保とは

瑕疵というのは、つまり問題点のことです。欠陥ですわ欠陥。買った欠陥住宅だった場合の話です。瑕疵つまり欠陥をどう担保するのか?というのが瑕疵担保。

民法の瑕疵担保責任ありき

民法に瑕疵担保責任つう法律があるんですわな。ざっくりいいますれば、欠陥住宅を買っちゃった人がいるとしましょう。

なんだよこれ!屋根無いじゃんか!

屋根が無かったとしましょう。(どんな家や?)欠陥ですわな。民法上の話では、「欠陥を発見したら発見した時点から1年以内にいいなはれや。損害賠償認めるし、契約の解除できまっせ。」というのがついてきるわけですな。

経年劣化とは、別ですよ。何年も使ったあとで、じょじょに変化した劣化には対応できなのであしからず。

ここで注意して欲しいのが、「発見したら1年以内に」という部分。「うわ、基礎浮いてるやん」とか「うわ、この家、梁一本ないでとか。」つまり、発見することがトリガーになるわけで、購入時点は問題ではないということ。つまりだ。極端な話100年経って屋根の無いことに気がついても損害賠償請求できるつう話だ。(だから屋根無いってなんやねん?)

宅建業者にとっての恐怖のルールが特約で緩和それが、瑕疵担保責任の特約の制限

この発見してから10年、結構売る側にとっては恐怖のルールなんです。つまり、売った後、10年後にお宅の物件瑕疵ありましたっせ。と裁判されれば、負けてしまうわけです。夜眠れないですよね。

ということで、そんなきついのはちょっとあかんな。よっしゃ、「引渡し2年特約は可能!ルール」っつう特約を認められました。

それが、この瑕疵担保責任の特約

これで、宅建業者一安心。売主として契約する場合は、必ずこの引渡し2年ルールを付けておきます。これで、引き渡した後2年経ってしまえば、瑕疵があっても訴えられないというこ事になります。

よく、中古住宅販売で「2年間の保証付」となっている物件を見かけますが、実は、本当は、緩和されて2年間なんです。本当は民法の無期限永久が本当なんですよ。知ってましたか?「2年の保証で堪忍したってください」「わかった2年で堪忍したるわ」という話なんですよ。

さて、では、宅建業者は、2年で保証(隠れた瑕疵の場合ですよ)はストップできますよね。つまり、2年以降に隠れた瑕疵が発見されても消費者は泣き寝入りという話です。(素人目線ではそうなります)

では、宅建業者でない、一般の方が家を売りに出した場合は?どうなるんでしょうか?

実は、瑕疵担保責任つまり、売主側の責任は発生します。これ、ご存知ない方も多いかと思います。つまり、扱う宅建業者がなんもしらないで、契約に何の特約もしない場合・・・その住宅の買主さんが、買った後で、5年そこで暮らさなかったとしましょう。5年後さぁ暮らそうと思って、水道をひねったとしましょう。

あれ、水道でないやんか!!

と、なりますよね。そんな時に民法の隠れたる瑕疵にあてはまりますので、契約に特約*本物件は売主は瑕疵担保責任はありましぇんという特約*をしていない場合、売主は責任を取らされますのでご注意。

売却の際は、この売主は瑕疵担保責任とりましぇん特約をお忘れなきよう。

しかし、昨今。売主の責任一切とりましぇん特約が問題視されてまして・・・売ったら売りっぱなしかよ!という問題ですね。

私が仲介屋で働いていたときは、売主は水周りまでは、売主責任3ヶ月付けますとしていました。住んでいきなり、配管つまりました!という話はよくある話なんです。買主かわいそうですからね。

まぁ、3ヶ月問題なければ買主責任は解かれるということですね。そのくらいにしておいたほうが後々しこりは少ないかと。

話はそれましたが、このように売主が宅建業者の場合は、隠れた瑕疵について無期限保証だったのが、引渡しから2年の特約を許されました。この責任とる期間は、2年以下にすることはできません。

あと、新築の場合は、10年が最短となります。10年以下にすることはできません。とはいうものの、主要部分限定ですが。

で、余談ですが、宅建業者が売主の場合の特約でよく見かけるのが、「雨漏り、給排水、シロアリ限定2年間は保証しまっせ特約」というものを見かけますが、あれ、宅建業者不利になっていますのでご注意。この特約をつけて、たとえば基礎に隠れた瑕疵を買ってすぐに発見したとしますよね。

宅建業者こういいますよね。

「あ-奥さん、残念ですね、うちは雨漏り、給排水、しろあり限定で、保証するつう特約なんすわー」と。

ダメですよ。実は、宅建業法40条にこうあります。

【宅建業法第40条】(瑕疵担保責任についての特約の制限)
1) 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は、建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法第570条において準用する同法第566条3項に規定する期間についてその目的物の引き渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2) 前項の規定に反する特約は、無効とする

ほら、買主に不利な特約は無効なんす。

つまり、民法の規定に従う事になるんです。無期限(発見から1年)の保証になります。

 

残念!

ちなみに、責任とる期間を1年にした場合はどうなるか?これも無効いにになって民法規定になるので無期限に責任とらないといけませんのでご注意を。

最後になりましたが、テストで出るのは、責任とる期間を1年にした場合は、2年になる○か×か?というのが多いですね。

 

 

 

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